牧場を譲りたい
- トップ
- 牧場を譲りたい
技術も施設もありながら、後継者不足により事業の継続を断念せざるを得ない酪農家が増えています。その一方で、酪農家になりたくても知識・技術の習得や資金調達が出来ずに諦める人がいるのも事実です。そんな中、酪農をやめる人と始める人を結びつける「第三者継承」が注目されています。牛や牛舎・土地などの「有形資産」と飼養技術・経営ノウハウなどの「無形資産」を、家族以外の就農希望者に譲り渡す継承方式です。家族ではなくても、人柄や酪農に対する想いなどをマッチングすることで、長年培ってきた技術や経営ノウハウを次の代へとつなぎ、事業を継続することができます。
具体的な「第三者継承」の流れとしては、まず移譲者と継承者の「マッチング」を行い、お互いの適性や相性を見極める数週間の「事前研修」の後、1年程度を目安に「研修・継承準備」期間を設けます。技術・経営指導を行うと同時に、移譲の時期や方法、資産の評価、経営計画などを検討、お互いの合意を得て「契約書(合意書)作成」に至り、「第三者継承」が成立します。経営交代後は、移譲者が技術指導を行うなど必要に応じて「継承後のフォローアップ」を行う場合もあります。
継承者が決まったら、移譲者と継承者が一緒に経営に携わり、技術やノウハウを確実に継承していきます。この並走期間が長過ぎると関係性が悪化しやすく、短過ぎると継承が不完全に終わることも。効率よく継承できる適切な「④並走期間の取り方」が、円満な継承へと結び付きます。できるだけ短期間で継承を行うには、作業記録の開示などによる具体的な技術指導のほか、経営面の育成など「⑤技術・ノウハウなどの無形資産を効率的に継承」し、継承者を労働者ではなく後継経営者として指導することが大切です。そして、何よりも重要なのは「⑥信頼関係を築く」こと。日常的にコミュニケーションをとり、継承についての契約書を交わしたり、定期的に意思疎通の場を設けたりすることも効果的です。また、「⑦継承後の対応」についても話し合っておきましょう。継承後の技術指導料や経営指導料などの金額を決めておくことで、後々のトラブルを防ぎます。
「第三者継承」は、個々の事業を継続させるだけでなく、地域の農業の担い手を確保・育成し、活性化させることにもつながります。当サイトでは、牧場の移譲を希望する方と譲り受けたい継承希望者をつなぐマッチングを行っています。譲り受けを考えている方は、ぜひ「牧場プロフィール」をご確認ください。後継者が見つからず事業の継続に不安を感じている方は、この機会に「第三者継承」を検討してみませんか。
公益社団法人中央畜産会「牛飼いになりませんか? 酪農経営を目指す方へ」
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 マネジメント技術プロジェクト「農業経営の第三者への継承―進め方とポイント―」